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NXクーペってどんなクルマ?

NXクーペはB13系サニーのクーペ版です。

1989年の東京モーターショーで参考出品車として発表され、1990年1月には従来のB12型サニークーペの「RZ-1」に変わるクルマとして発売になりました。「タイムマシンかもしれない」というキャッチコピーと、黄色いNXクーペが伸びたり縮んだりするコンピュータグラフィックを使ったコミカルなCMで話題になりました。
基本コンポーネンツは同時に発売されたサニーセダンと共有しながらも、その外見はセダンと共通パーツを全く持たず、流麗なハッチバッククーペの形態を持った小型のスポーティーカーです。もともとサニー系には当初から2ドア/3ドアのクーペ系のラインナップがあり、当時の安価な小型車クラスにもクーペが欲しいという層に答えていましたが、その需要も少しずつ減り始め、パルサー系のクーペだったEXAと統合される形でデビューしました。

もともと欧米の市場を意識して開発されたこともあり、輸出仕様は北米では300ZX(フェアレディZ)、240SX(シルビア&180SX)、 そしてNXというクーペラインナップの最小モデルとして販売されていましたが、そもそもこの「NX」という名称はEXAの北米仕様につけられていたものであり、 こうした点でもEXAとサニークーペの統合車であるという話には納得が行きます。 さらに欧州市場ではその役割はもっとわかりやすく、300ZX、200SXの下位モデルとして100NXという名称で販売していました。 海外ではすでに日本車は高品質という評価受けていたために、NXも輸入車としてそれなりに良い評価を受けていたようですが、 日本国内では小型の2ドアクーペ市場が縮小の一途で、国内での販売台数が伸びないまま、94年にはB14型サニーのクーペ型、ルキノへとバトンタッチしました。 現在はB14型ルキノも生産中止となり、サニー系クーペの系譜は途絶えています。

現在ではカーセンサーやGooなどの中古車検索を見ても常時2〜3台しか掲載されていない超稀少車です。

■スタイリング

NXクーペのスタイリング上の最大の特徴は、なんといってもフロントマスクです。楕円形をしたヘッドライトが フロントバンパーに奥まって配置されるという大変特異なもので、現在、過去、国産、外車を問わず同じような デザインのクルマは全く見当たりません。そのため、個性的なスタイルを好むアメリカ市場では受け入れられましたが、 保守的な日本の市場では残念ながら販売台数は伸びませんでした。
しかし、その変なマスクがオーナーにとっては最大の魅力だと思うのですが…

ボディ全体はルーフからハッチバックの形状がZ32型フェアレディZを思わせなかなかスポーティな雰囲気を 持っています。ボディとの連続感を保ったまま大きく張り出したフロントフェンダーや、ドアから少しだけ盛りあがっているドアノブ など、凝った造形がいろいろなところに見ることができます。

■エンジン

1500、1600、1800の3種類。

形式 タイプ 総排気量 燃料供給 最高出力 最大トルク
GA15DS 直列4気筒ツインカム16バルブ 1497cc 電子制御キャブ  94ps/6000rpm 12.8kg/3600rpm
GA16DE 直列4気筒ツインカム16バルブ 1596cc EGI 110ps/6000rpm 15.0/4000rpm
SR18DE 直列4気筒ツインカム16バルブ 1838cc EGI 140ps/6400rpm 17.0kg/4800rpm

1600にはNVCSという可変バルブタイミングコントロールシステムが搭載されています。

■トランスミッション

すべてのグレードに4速オートマチックと5速マニュアルを設定。

マニュアル車のシフトブーツは1500、1600がゴム製のジャバラ状のもの。1800は本皮製のものが装備 されています。

■グレード

タイプA、タイプB、タイプSの3種類があります

タイプA:1500のみの設定でシリーズの廉価版の位置付け。
タイプB:1500、1600に設定。パワーウインドウや電動格納式ミラーを標準装備する中級グレード
タイプS:1800のみに設定された最強版。足回りのチューンも他グレードとは異なって全体にスポーティな味付 けになっています。

平成4年のマイナーチェンジで1600の設定はタイプBからタイプSに変更になりました。

■カラー

前期型には8種類のボディカラーが設定されていました。

純正色番号
ボディカラー
♯531
クリスタル  
ホワイト
♯KJ5
ガンメタリック
パール
♯LJO
ラベンダー  
パールM
♯BG6
ライトブルーM
純正色番号
ボディカラー
♯AH3
レッドパール 
♯TH1
ダークブルー 
パール
♯EH7
イエロー   
パール
♯AG2
スーパーレッド

*後期型については資料がありません。ごめんなさい。 m(__)m

■独特な装備類

〇Tバールーフ(タイプS、タイプBにオプション設定)

 運転席、助手席の屋根が、中央の支柱を残してそっくり外れます。サンルーフと違い窓枠が残らないので オープンカーに近い感覚が味わえます。また、屋根はガラス製なのではずさなくても開放感が得られます。 2代目〜4代目フェアレディZやMR−2、カマロ等世界的に見てもごくわずかな車種に設定にしか設定されていない珍しい装備です。

〇デジタルメーター(タイプA、タイプB)

メーターパネルの中央に3桁のスピードメーターがあり、それを囲むように楕円のバーグラフ式タコメーターが ついています。発光色は白です。

〇オリジナルアンブレラ&アンブレラポケット(タイプS、タイプB)

なんと平成2年〜4年までの前期型NXクーペには「傘」が標準装着されています。運転席のドアをあけて開口部を 見ると、傘マークのついた黒いふたがあります。そこをあけてNISSANマークを押すと、にゅ〜っと傘が飛び出してくるのです。 ほぼ同時期に生産されていたN13パルサーにも同じ装備がついていました。

■NXクーペの兄弟

NXクーペは日本ではサニーの1バリエーションで、直系の先祖はB12型サニーのクーペ版「RZ−1」 になります。しかし、NXクーペにはもう一つのルーツとなるクルマがあります。
それがTバールーフを標準で装備し、2つのハッチ形状を選択できるという特徴を持ったN13系EXAです。
EXAは、パルサー系のクーぺに与えられた名称で、初代N12型が「パルサーEXA」、2代目N13型は パルサーの名がはずされ「EXA」という名称でしたが、北米輸出仕様は2代ともに「Pulser NX」を名乗っていました。

N13型パルサーの兄弟車「EXA」と同時期に販売していたサニー系クーペはB12型の「RZ−1」で、 EXAとは共通部品が多いながらも別車種として存在していたのです。

そんな日産の2台の小型クーペも統合される時が来ました。「EXA」は生産中止となり、 日本のユーザーには「RZ−1」に変わるサニーのクーペとして、アメリカのユーザーには「PulserNX」の 新型としての役割をもって登場したのが「NXクーペ」だったのです。 北米輸出仕様の名前はNX1600/NX2000でした。

しかし、車種整理の為、日産はB14系サニーへのモデルチェンジを機に、輸出仕様に従来から 存在していたサニー(輸出名:セントラ)の2ドアセダンに国内ではルキノ、北米では200SXという名前をつけて発売し、リヤハッチ を持つクーペボディはラインナップから姿を消してしまいました。 現在本家サニーはB15へモデルチェンジしましたが、そのクーペ版は登場せず、サニークーペの歴史はルキノで終止符を打たれました。。

FFサニー/パルサー系のクーペ一覧【*( )内は北米仕様車の名称】
車種/形式 B11/N12 B12/N13 B13/N14 B14/N15 B15
サニー系 クーペ 注1 RZ-1 NXクーペ(NX2000) ルキノ(200SX) セダンのみ(セントラSE-R)注2
パルサー系 パルサーEXA(PulserNX) EXA(PulserNX) クーペボディはNXクーペに統合 セダン、5HB、3HBのみ

注1 B11サニークーペはマイナーチェンジ前のみ。マイナーチェンジ後は3ドアハッチバックとなった。
注2 B15サニーのUS版「セントラ」にはSR20エンジンを搭載したSE-Rというスポーツグレードが存在している。


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