旅の日記帳(カンボジア/シェムリアップ)

■アンコールワット  (2004年1月29日  46日目)

アンコールワット前で非常事態(腹が)

個人でシェムリアップの街を訪れた場合、観光の足となるのはもっぱらバイクタクシーだ。 要はバイクの所有者と交渉してリヤシートに乗って希望の場所に行ってもらうもの。 バイクはたいていホンダのドリームというスーパーカブタイプのビジネスバイク。

昨日、宿専属のバイタクの兄ちゃんと約束して、5時20分にアンコールワット観光へ出発するはずだった。 が、彼の姿が見当たらない。聞くと、なんと他の客を乗せてもう行ってしまったという。
金額の細かい話を決めないで、こちらも「まあ行ってもいいかな」という気分で時間だけ決めたので、 あの後より確実な客が現れて、その客と行ってしまったようだ。
それでも向こうが決めた時間なのにと、軽く腹をたてつつも、他の人に行ってもらうことになった。 遺跡の集中するエリアを回ってもらって、相場は一日6USドルくらい。相場どおりの値段で交渉成立。
多分二十歳ちょっとのライダー氏、お互い自己紹介するも名前が覚えられない。もともと人の名前を覚えるのが苦手な上、 どうも今までにない発音の羅列ですぐ忘れてしまうのだ。

まだ真っ暗い中、バイクのリヤシートにすわり、アンコールワットへの道を進む。 思ったよりも寒くて、シャツ一枚で来たことを後悔する。
アンコールワットはシェムリアップの街から十数キロ離れた場所にあるようだ。 街から離れて木々に囲まれた一本道を行く。通る車やバイクも少なく静かな雰囲気だ。

しばらく走ると、検問所のようなゲートがあった。ここで遺跡観光のためのチケットを購入するらしい。 値段は1日券が20ドル。3日券が40ドル。カンボジアの物価を考えると、無茶苦茶高い。
1日券を購入してゲートを通過した。

またしばらく走ると、暗くてわかりにくいが、巨大な堀の脇を走っている。他のバイクタクシーやバス、クルマが集まっている場所に停車。
ライダー氏が指差す。この堀の向こうがあのアンコールワットなのだ。 アンコールワットの中で日の出を見たら戻ってこい、と言うことらしい。

アンコールワットの入り口でもチケットのチェックがあり、中へ。堀の上を通る参道を歩き、門の前へ。門の入り口の向こうに、 建物があるようだが、まだ暗いのでつかみ所がない感じ。

これがあのアンコールワットか...ちょっと感動しながら門をくぐると、日の出を待つ人で一杯。 ツアー客が多いらしく、あちこちで添乗員が懐中電灯を使って誘導している。耳を傾けると、団体さんは日本語、韓国語、中国語が多い。 いつのまにかツアーの人気スポットになってしまったらしい。

ここで、急に腹が痛くなってきた。薄着の上、意外と寒かったので急に腹が冷えたせいらしい。 さっき見た団体の日本人の添乗員にトイレの場所を聞いた。なんとこんなに広い寺院なのにトイレはさっきの駐車場に戻らないとないという。 腹を抑えて、少し内股ぎみに歩く。ケツめどにぐっと力を入れるが、腹の中はかなりの激流だ。
やっとの思いでチケットのチェックを受けた人にトイレの場所を聞くと、「アバウトトゥーハンドレットメーター」 200メートル!もう間に合わないよ!という表情を浮かべると、彼は堀と道路の間にある空き地の方を見た。そうか、あの辺でやってしまおう。 限界に近づいた腹をぐっと堪えて歩く。等間隔で30メートルおきくらいに大きな木が植えられている。2本目の木に来たところで激流がやってきた。

木の根元で野○ソしてしまった....世界遺産の前で。 真っ暗だったので、誰にも見られることはなかったが、良く見れば誰か地元の人が休憩に使うのか、薄汚れたマットが置いてある。 地元の人の休憩場所を奪ってしまった....

アンコールワットからのサンライズ

アンコールワットのさっきの場所に戻ると、もう日が昇りかけていた。徐々に明るくなり紺色から薄いオレンジ色のグラデーションが出来る。 徐々にだがアンコールワットのシルエットが明確に浮かび上がってくる。
腹もすっきりしてすがすがしい気持ちで朝日を眺める。
完全に太陽が昇り、周囲が明るくなると、思ったよりもたくさんの人が見に来ていたことが判った。 アンコールワットの全容が明らかになったところで、中心部にある祠堂を目指して歩く。階段は急だが最上部まで登って見学することが出来る。

アンコールワット正面 夜明け前のアンコールワット
すでにかなりの観光客が日の出を待っている
それでも幻想的な風景
夜明け
アンコールワットの中央祠堂に登って朝日を見る

発見された当初よりだいぶ修復が進んだらしいが、当時のカンボジア人は本当に凄いものを作ったなと感じる。 アンコールワットの裏手はまだ森になっていて、さっき登った太陽がオレンジ色に建物を照らすのが見える。
この時間、ここまで上がってくる人は少ないのか、ゆっくり見られる。のだが、カメラを構えると「こちらからの方が太陽が良く取れる」 (太陽だけで建物が取れないから余計なお世話)とか「この彫刻はここだけ異なってとても珍しいです」とやたらとガイドしてくれる人がいる。

胸に許可証のようなものを着けているが、こうマンツーマンでガイドしたがるってことは、やっぱりチップが欲しいんだろうな、と思っていたら、 案の定、「少しチップをください」と切り出してきた。1ドルの約4分の1にあたる2000リエルを手渡すと不服そうな顔をする。
いくら欲しいのかと聞くと、1ドルという。丸一日貸切のバイクタクシーでさえ6ドルなのに、いくら日本語が出来るとはいっても1ドルはないんじゃない。と思い、 「いらないならあげないよ」と言うと、しぶしぶサンキューと言って受け取った。

パックツアーで母国の物価感覚のままで来る客なら、1ドルはたいした金額じゃないだろうから、彼らはここで結構稼いでいるんだろう。 勝手に説明しておいて金を請求するなんて…と思ったが、あとで他の旅人に聞いたら、「自分は払いたくない時はすぐに『ノーガイド』と言うよ」といっていた。 確かにそのほうがお互い嫌な思いをしないですむかもしれない。

その後も回廊の中に描かれた素晴らしい彫刻をじっくりと見たり、修復後安置された仏像を熱心に拝む地元の人の様子を眺めていたら、いつのまにか3時間もたっていた。 駐車場に戻ると、バイタクのライダー氏、すぐに自分を見つけてくれた。

内部 なめらかな曲線が美しいレリーフ 回廊
回廊の壁にも複雑なレリーフが刻まれている

そのほかの素晴らしい遺跡たち

カンボジア=アンコールワットというイメージだけでやってきたので、その周辺に特色ある他の遺跡があるということは訪れてから知った。 その遺跡群を結ぶ道路が整備されて、周る遺跡によって大回りコース、小回りコースと呼ばれている。
今回は大回りコースを選んで周ることにして、次々と遺跡めぐりをした。

バンテアイ・クデイ バンテアイ・クデイ
元のヒンドゥー教寺院を
11世紀に仏教寺院に改造したもの
そのためヒンドゥー様式が残されている
スラ・スラン
スラスラン
12世紀末創建
東西700m南北300mの聖池
歴代の王がここで沐浴した
タブローム
タ・プローム
巨大なガジュマルの木が遺跡を覆っている
修復せず発見当初のまま保存する
処置がとられている
タ・ケオ
タ・ケオ
10世紀末に建設が始まったが
王の死と内乱により建造が中止された
そのため建造の経過を知る
貴重な資料となった
象のテラス
像のテラス
12世紀後半から13世紀にかけて建造された
アンコール・トムの内部にある
大乗仏教とヒンドゥー教の混合寺院だから象がいるのかな
バイヨン
バイヨン
アンコール・トムの中心に位置する仏教寺院
多数の観音菩薩のレリーフが印象的

アリ入りのフランスパン

アンコールワットに戻ってもらい、日没近くまでもういちどゆっくり見ることにする。 駐車場そばに売店が出ていて、ここで少し休憩する。 チーズつきのフランスパンとコーヒーを頼んで軽く食事にしたのだが、どうも焦げが多いパンだなと思いながら半分くらい食べて気が付いた。 これ、焦げじゃない。アリだっ!!!

パンを保存するガラスケースの隙間からアリが入ってきているらしい。そうとは気が付かず、かなりの量のアリを食べてしまった。 ここはカンボジア、文句言う気もおこらず、コーヒーを飲み干して店を出る。
フランスパン アリンコ入り恐怖のフランスパン ライダー
今日の貸切バイクのライダーは彼
昔は自分で運転するレンタルバイクもあったが
事故が多くて禁止になったらしい
象さん
プノン・バケンは急な坂を
登らなくてはいけないので
体力に自信がない人は象に乗って登る手もある
ただーし料金はそれなり
プノン・バケン
プノン・バケン
高い丘の上にある寺院
アンコールワットを唯一見下ろせる場所

カンボジアで露天風呂

アンコールワットでは朝の光の向きで撮れなかった写真を撮った。 夕暮れの空を見上げると雲がおおく、日没は見ることができなさそう。 結局少し早めに宿に戻ることに。

近くの宿、タケオゲストハウスの前にある店で缶ビールを飲んでから宿に戻ったが日中の暑さで汗びっしょり。 知り合った宿のみんなで食事がてら、ある場所にいくことにした。

バンコクからカンボジアに出発するときに見送ってくれたE藤くんが教えてくれた店、「モロッポーカフェ」は 日本人の経営するレストランなのだが、なんと屋上が露天風呂になっているのだ。
料金は2ドル。タオルも大小一枚づつ貸してもらえる。 日本人経営だけに、露天風呂の作りもなかなか。5人くらい入ると一杯になってしまうが、ちゃんと浴槽は木で出来ている。 ちゃんと洗い場と桶もあるし、狭いながらもそれなりに気分が味わえる。 これも数人で一杯になってしまうが、スチームサウナまでついている。 浴槽に浸かりながら空を見上げると星がまたたいてかなりいい気分。 カンボジアまで来てこんな露天風呂に入れると思わなかった。この店のオーナーに感謝だ。

このモロッポーカフェ,店のメニューもなかなか。一通りなんでもそろっているのだが、 今日はギョウザとおかわり自由のライスを注文。缶ビールだけだと思ってたアンコールビアの生もジョッキで飲める。 これにピザを一枚追加して、一人3ドル。風呂とあわせても5ドル。あ〜最高だ。


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