旅の日記帳

■サンフランシスコのケーブルカー    (2004年4月24日  132日目)

無数の風車

ガソリンスタンド脇の駐車場での仮眠から目覚め、出発する。まだ夜は明けていない。
このままインターステート5号線を北上すればサンフランシスコに到着するはず。あたりは真っ暗で何も見えないが、 家の灯りが見えないことから何も無い広大な土地を走っているのを感じる。
アルティマに装備されているオートクルーズ機能は思いのほか便利で、足が疲れないため距離がどんどん伸びる。 徐々に日が昇り始め、辺りは丘陵地帯になってきた。豊かな緑色の中を緩やかにカーブしながら走る。
すると、丘の上にたくさんの風車が現れはじめた。たぶん風力発電のためのものだろう。エジプトのハルガダからのバスの中でも見たが、 それとは数が違う、数百本、もしかしたら数千本もあると思えるくらい無数の風車がならんでいる。
メキシコシティのゲストハウスで出会ったバイクのタンデムで旅行しているご夫婦からこの風車の話は聞いていたが、 想像をはるかに越える景色についため息がもれる。「すげーな」思わず一人ごとが口を伝って出てきた。ちょっと頬が緩む。
やっぱりクルマを選んで正解だった。

夜明け 風車 無数の風車
クルマの中で朝を迎える
サンフランシスコはもうすぐ。
ふいに巨大な風車が現れる。
不思議な景色
風車は見えなくなるほど向こうまで
無数の数がならんでいた。
風車が見えなくなると、あたりはだんだん都会に近づいてくるのを感じる。
通勤列車が併走し、大きなビルも現れはじめる。いよいよサンフランシスコに近づいているのだ。
木が見えなくなり、道路の両脇が完全に建物に囲まれたころ、ふと海が見えた。 海の見える高架道路を走り、いくつかの橋を渡る。この辺りは有料道路らしく、料金ゲートが現れ5ドルを支払うが領収書が出なかった。ちゃんと管理してるんだろうな?
丘隆地帯を抜ける 高架線に入る サンフランシスコに到着
だんだん家が多く見えるようになって来た。 高架線に入る。
港のクレーンも見えて来た
丘の上に家が無数に立ち並ぶ
サンフランシスコが坂の街だということが納得のひとコマ。
どうやら完全にサンフランシスコの中心部に入ったようなので、適当な出口でフリーウェイを降りる。もう朝の8時近い。 ガソリンスタンド併設のコンビニでコーヒーとソーセージ入りのスティックで簡単な朝食を摂る。ガイドブックで今日泊まる宿の検討をつける。
どうやらユースホステルに駐車場がありそう。もともとは漁師の港だったフィッシャーマンズワーフの横を通り過ぎ、路面電車と並んでしばらく走っていると、 静かな住宅地の中にそのユースホステルあった。一泊27ドルほどだがクルマも停められると考えれば安い。
今日の朝食 路面電車 宿に到着
コンビニで買った朝食
ソーセージとコーヒー、リンゴとバナナ。
港に近い道路
南国の樹と路面電車
リゾートっぽい町並み
ユースホステルに無事到着
アルティマもごくろうさん。

ゴールデン・ゲート・ブリッジをクルマで渡る

早速シャワーを浴びてさっぱり。
宿は小高い丘の上にあつまる住宅地の外れなので、裏手からは海の向こうにゴールデンゲートブリッジが良く見える。 せっかく車できたのだからクルマで走って渡ってみたい。
宿からわずか15分ちょっと、だんだん橋に近づいてきたので近くでよく見るとかなり大きい、そして高い。
いままでずっとこの橋は赤だと思っていたが、実際には茶色だった。
クルマの流れが速くてよそ見ができないが、かなり高い位置を走っているので迫力は満点だ。 橋を渡りきった所に展望台があったので、ここで車を停めた。 観光客も多く、駐車場は一杯だ。なんとか空きを見つけて車を止める
ここからは海の向こうにサンフランシスコ市内が一望に見渡せる。
ビル群にひとつとんがったやつがあって非常に気になる。
サンフランシスコは霧が多いらしいがラッキーなことに今日視界が非常にクリアでかなり遠くまで良く見ることができた。

ゴールデンゲートブリッジとアルティマ 金門橋通過中 展望台からの眺め
奥に見えるのがゴールデンゲートブリッジ
いよいよ渡ります。
通過中。赤と思い込んでいた橋の色は、
錆び防止塗料の茶色だった。
駐車場に停めて橋を振り返る。
観光客がいっぱい。

遠くに見える市内との間、正面に小さな島が見え、そこには建物と灯台が建っている。
ここが以前凶悪犯罪者を収監していたという刑務所があったアルカトラズ島らしい。
映画や小説などで良く出てくるので名前くらいは知っていたが、サンフランシスコにあったんだ、と自分のなかで再発見。 こりゃ〜たしかに脱獄は厳しいな〜と感心することしきり。

展望台からの眺め
展望台からの素晴らしい眺め
左端の島がアルカトラズ島。

橋を徒歩で歩いて見たくなり、今度はゴールデンゲートブリッジの歩道を歩いてクルマで来た方向へ戻る。
半分くらいは戻ってみるかと歩きだすが、真ん中に近づくにどんどんつれて寒くなって来た。
高さもあるし海の上だから風が強いのだ。下から覗くとだいぶ下に海面が見えて高所恐怖症でもないのにゾーっとする。 建設中11人もの人が事故でなくなったらしいが、確かに周りの崖やこの強風を感じるとかなりの難工事だったのだと思う。

駐車場のある展望台に戻り、体が冷えてもよおしてきたのでトイレを済ませる。 アメリカの観光名所はたいていみやげ物やカフェがあるのにここはトイレだけしか無いらしい。ちょっと物足りない。
車で橋を渡り来た道を戻る。橋をわたりきったところで5ドル徴収。
中心部から離れる方は無料で、入っていく方が有料になっているらしい。
それはかまわないがまたもや領収書がないのは何でだろう。

このまま車で市内へ向かってケーブルカーの横を走ってみようと中心部を目指すが、
道が複雑でなかなかたどり着けない。アメリカドライブをはじめて初めて思うように走れなくなり、ムキーとなる。
サンフランシスコ市内は徒歩の観光のほうがいいみたいだ。
迷い続けてやっと宿の駐車場へ戻り、やっぱり歩いていくことにする。

フィッシャーマンズワーフ

最初に向かったのは宿から近いフィッシャーマンズワーフ、昔は漁船が留められていた港を
観光客向けに開発した場所だ。いろんな土産物屋や飲食店がならんでいていかにも観光地、
みんな楽しそうに歩いている。やはり海が近いせいか、シーフードが名物らしい。
ちいさい海老がゆでられたシュリンプカクテルやパンをくりぬいた中に入れられるクラムチャウダーが売っていて、レストランで食べる以外にも立ち食い、歩き食いできるようになっている。
1ドルのホットドックに少々飽きていたので、思い切ってクラムチャウダーと缶ビールを買ってみた。天気もいいし、港の脇で機嫌よく食べていると、上からポトリ… なにか液体が入った。
上を飛びまくっているカモメのおしっこだ…
しばし呆然。スプーンを持った手が宙に止まったまま。どこに入ったかよく見えなかったので取り除きようがない。まだ3分の1も食べていないので、頭で事態を理解しても体が承知しない。
思わずスプーンですくってそのまま食べそうになる。
理性を精一杯働かせてその手を止める。結局表面を全部すくって捨て、パンに染み込んだ部分だけを食べたのだった。そう、本来なら全部捨てるんだけど、食べちゃったんですよ。

アルカトラズ行きフェリー フィッシャーマンズワーフ クラムチャウダー
フィッシャーマンズワーフからアルカトラズ島へのフェリー
航路が州道101号線になっている。
フィッシャーマンズワーフ
店がたくさん立ち並びイベントも行っている楽しい場所。
クラムチャウダーとパンのセット5ドルとバドライト2.5ドル
かなりデカイ。
しかしこの後カモメの爆撃に遭う。

ケーブルカー

恨めしいような中途半端な気分のまま、今度はケーブルカー乗り場へ。
週末らしく人が多く、かなり待ちそうだが、サンフランシスコに来てケーブルカーにのらない手はない。実は途中から乗車すれば待ち時間なしなのだが、始点から乗ってみたいのでじっと待つことにする。
手動の回転台で戻ってきたケーブルカーを回転させてまた出発していく
そんな様子を何回か見ているうちに一時間ほどでやっと自分の番が来た。
一番先頭のポールに捕まって立ち乗りできるポジションを確保。ケーブルカーはどんどん登っていく。 振り返ると目線の正面に見えたアルカトラズ島がだんだん下のほうに移動し視界から離れていく
こんな市街地の真ん中を行くケーブルカーは初めての体験なのでかなり楽しい
TVや映画で見て想像していたよりも勾配がきつく感じられる。やっぱり実際に来て乗ってみないとわからないものだ。
運転手はお客さんを見つけるとレバーを操作してケーブルカーがつかんでいた地中のケーブルを離す。するとケーブルカーが停止する。ケーブルカー同士がすれ違うときはポールに捕まってはみ出している客は頑張って車内に身を寄せなければならない。
自分自身は動力をもたない、あぶなっかしい乗り物だが見ているとそれが返って面白い。

ケーブルカーのターンテーブル 坂を登るケーブルカー 下って街の中心部へ
ターンテーブルで方向転換中のケーブルカー
なんと手で押して回転するのだった。
坂をガンガン登るケーブルカー
柱につかまって振り返るとアルカトラズ島が見えた。
今度は下って街の中心部へ
ただ乗ってるだけで充分に面白い。

途中何箇所かの停留所で手をあげるお客さんを乗せ、(・・ということは早く乗りたかったら歩いて始発の次くらいの停留所から乗れば良いということだ)
こんどは急勾配の下りを降りていく。10分ちょっとで終着地点のダウンタウンのど真ん中についた。
ダウンタウンと言うだけに地理的には低い位置にあるが、高級ホテルやブティックなんかもあったりして観光できたら買い物や食事の中心となりそうな場所。
インテリアショップや雑貨の店を覗き、欲しいものが沢山あったが荷物になるので買い物は諦める。アメリカにはまだまだ日本に入ってきてない面白いものがありそう。
歩きつかれてユニオンスクエアという公園で一休み。街の中心に公園があるのもいいところ。

ケーブルカー 市街の様子 公園で一休み
終点に到着したケーブルカー。 ユニオンスクエア周辺は色々なショップで賑わっている ユニオンスクエアで一休み

サンフランシスコのチャイナタウン

歩いてチャイナタウンに行く。ニューヨークのチャイナタウン以上に漢字の看板が目立つ。
赤や黄色の派手な看板が目立ち、これぞチャイナタウンといった趣き。
ふと気がついたのだが、これらチャイナタウンで使われている文字は現代中国で使われている簡体字ではなく 台湾や香港で使われている旧字体である繁体字。
たとえば繁体字で「飛行機」は簡体字では「飛行机」、 これは「機」を簡体字に作り直したときに日本オリジナルの漢字「机」とたまたま同じになってしまったかららしい。
移民してきたときの言葉をそのまま使っているのだから当然なんだけど、ここに住む人たちは今の中国にいったら読めない字が多そう。
そういえばシンガポールの中国系住民は簡体字を使用していた。これは国家の方針なんだろうけど、 漢字を使う国や民族は日本も含めて文字を統一できないものだろうか。

チャイナタウンの門 チャイナタウンの様子 チャイナタウンの看板
チャイナタウンの入口、中国風の門。 色使いや街灯も中国風 看板もこの通り。
街の様子を身ながらぶらぶらと歩いて、帰りはケーブルカーに乗ることなく宿まで戻ってしまった。
一人で入れるような手ごろなレストランが無くて、ハンバーガー屋もイマイチ、食事をしないまま戻ってきてしまったので ビールでも飲んで寝るかと自販機のあるキッチンスペースまで来たら、日本人っぽい女の子と目が合った。
おおっ?と思いつつ、アメリカではアジア系の人が多いので微妙に話し掛けづらい。
すると英語で「どこから来たのですか」って話し掛けられた。日本人ではないらしい。日本だよというと、オレのことを背が高いから韓国人だと思ったと言っていた。
彼女の名前はベク・ユジンさん。韓国人だったらしい。今までにも同じ理由で韓国人と思われることが何度かあった。
今回の旅の話になり、世界一周の途中で、ここにロサンゼルスから車を借りてきたというとちょっと感心してくれたみたいだった。
オレより数段英語が上手いので、うまくこちらの変な英語に合わせてくれ、30分くらいは会話したかな。
ロサンゼルスからバスで来て、ここには一週間くらいいると言っていた。
かねてからの疑問だった「アンニョンハセヨ」と「アンニョンハシムニカ」の違いを教えてもらってすっきり。
ようは普通の挨拶と丁寧語の違いだったらしい。納得。
独身だったら「じゃあ明日ドライブしようよ」ってな台詞も言えるのだが、それはやめておきました。
それよりも明日は早めに出ないとクルマの返却期限に間に合わなくなる。約600キロの道を一気に南下するのだ。
夕暮れのジェファーソン通り レストラン船 ユースホステルでのひとコマ
夕暮れのジェファーソン通り。
サンフランシスコは絵になる街だな〜
停泊していたレストランシップ ユースホステルで韓国人の女の子、ベクさんと。

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